<はんなりの作品紹介>
2008年度 国連のインターナショナルフィルムフェスティバルセレクト作品。
*日本映画としては 山田洋次監督の「たそがれ清兵衛」に続く
第2作目として紹介されました。
その他アメリカ イタリアなどの映画祭や文化イベントでセレクト上映される。
ドキュメンタリー映画 94分
監督 曽原 三友紀
ナレーション マックスウェルコールフィルド(グリース2ほか)
音楽 マットテンプル (数々の作品でアカデミー賞ノミネート)
大沢みずほ(アテネオリンピックなどシンクロナイズドスイミング日本代表の作曲者)
音楽監修 石川孝子(エミー賞受賞者)
作品について
<はじめに>
京都の歴史と文化の象徴である花街。その代表者であり「生きる芸術」と呼ばれる
芸妓や舞妓は、その発祥から三百年以上たった今も、昔と変わらず京都特有の美を
表現しています。そして過去に多くの映像人が、その神秘的な実像を撮る為に
カメラを持ち込もうとしましたが、誰もがやんわりとその扉を閉められてきました。
しかしハリウッド在住日本人監督の曽原三友紀が、「真の京都文化を世界に伝えたい」
という熱意で根気強く接触を続け、史上初めて全六花街(五花街、及び島原)からの
協力を得ることに成功し、花街の本当の姿と美しい京都の四季が満載の
ドキュメンタリー映画を創り上げたのです。
「はんなり Geisha Modern」は全編、京都で撮影、06年に米国ロサンゼルスで
初公開、ドキュメンタリー作品ながら平均動員数で全米8位を記録しました。
眼の肥えたハリウッド映画人から絶賛を受け、あのアカデミー賞協会からも
出品を要請されました。現在は日米およびヨーロッパ、アジアでの興行に向けて
配給及びプロモーション活動をしておりますが、この秋11月20日より
いよいよ日本国内に逆輸入となりました!
<作品ができたきっかけ>
千二百年の歴史と、年間7千7百万人もの入洛者数を誇る京都。
この世界有数の観光都市だけではなく、日本そのものが芸舞妓の存在に
よって更に魅力を増しているのは過言ではありません。国内外の
多くの人々を魅了し、そして人のつながりや古きよき伝統や文化を
守り愛でることの大切さを教えてくれる芸舞妓さんたち。
しかし海外では、「GEISHA」という不明瞭な語句とともに
花街に対する誤解と偏見がいまだに溢れているのが現実です。
まだ記憶に新しいハリウッド映画「さゆり」(ロブマーシャル監督)
の公開時、ロサンゼルスタイムズ紙が都をどりについて
「南京大虐殺を祝う演目もあった」などと筋違いな情報を
強調していたところは恣意的な悪意さえも感じられました。
ロサンゼルス在住の日本人、日系人は非常に心を痛めました。
ITなどが発達し、必要な情報を好きなときに瞬時に得られる
いまでも、このような日本についての大きな誤解は海外では
まだまだたくさんあります。
この「はんなり」という映画は、海外のみならず、日本国内にも向けて
まず京都の花街文化をありのまま世界中の人々に見てもらわなければいけない!
という使命感に突き動かされた一女性監督が、そのか細い腕でメガホンを取り、
自ら金策に奔走しながら完成させた力作です。
決して無にしてはならない貴重で華やかな京都の花街文化・・・
94分の美しい映像と音楽でつづった「はんなり」
これまでは主に海外での上映で好評をいただきましたが、この秋、
一人でも多く日本全国の方に古き良き日本の伝統美を心に感じてほしいと願っております。